十三支演義 ~偃月三国伝~
ジャンル
女性向け恋愛AVG
発売日
2012年5月24日
価格
通常版:6,380円(税込)
限定版:8,580円(税込)
対象年齢
C(15才以上対象)

Information

時は後漢末、魏、呉、濁の萌芽さえなく群雄割拠する時代。

四百年の歴史を重ねた漢帝国は皇帝をかえりみない奸臣の専横により、すでに命数を使い果たしていた。

民衆は、皇帝たちの贅沢な生活を支えるため重税に苦しみ飢えに喘ぎ、土地を捨て流民となる。

その頃、各地で黄色の頭巾をかぶった「黄巾賊」と呼ばれる集団が反乱をはじめ
それは、次第に大きなうねりとなり漢帝国を脅かした。
後に言う「黄巾の乱」である。

それは中国大陸の覇権を争う三国時代の幕開きだった。

幽州の山深く、人を遠ざける険しい山間に人目を忍んで暮す種族がいた。
人間の体に獣の耳を持つ彼らの名前は「猫族」(まおぞく)。
数百年前に暴虐の限りを尽くし大陸中を暴れた猫の姿の妖怪「金眼」(きんめ)の子孫と言われ
人間たちから忌み嫌われていた。人間たちは猫が十二支から外れたという昔話から
「人からも獣からも、世の理からもあぶれた卑しい者達」
という意味合いから十三番目の干支、「十三支」(じゅうざ)と呼び彼らを蔑んだ。

そんな人間たちの目から逃れるようにひっそりと暮す猫族。
そこに一人の少女がいた。少女の名は関羽(かんう)。世にも珍しい猫族と人間の間に生まれた
混血であった。
半分だけ猫族の少女は混血に引け目を感じていたが、その思いを隠し、跳ね除けるように真っ直ぐ
強く生きていた。
生まれ持った明るい性格もあり、里の猫族からも頼りにされるようになっていた少女。
このまま大切な仲間たちと平和に暮らしたい。それが彼女のささやかな願いであった―。

しかし平穏な日々は突然終わりを告げる。

漢帝国より勅命を受けた討伐軍が、逃げた黄巾賊を追って猫族の隠れ里に迷い込んだのだった。
討伐軍を率いるのは曹操。乱世の奸雄と言われた野心家である。
猫族を見つけた曹操はその高い能力に目をつけ彼らを利用しようと考える。

「お前たちには黄巾賊隠匿の疑いがある。この疑いを晴らしたくば、我が軍門に下り、自ら黄巾賊討伐に赴くのだ。それが適わぬならこの里焼き払い黄巾賊諸共征伐してくれよう」

理不尽な脅威に反発する猫族であったが圧倒的な数の違いに立ち向かうことも出来ない。
どうしようも出来ない状況で少女と猫族は決意する。

「わかったわ。猫族の無実を証明するため、黄巾賊を討伐する。
だけどわたしたちはわたしたちで戦う。あなたの元には下らないわ!」

「ふっ……。どうやら私はお前たちを甘く見ていたようだ。
いいだろう、お前たちだけで私軍を作れ。私のために存分に力を発揮するがいい!」

こうして山奥深く平和に暮らしていた猫族は、意図せず人間たちの戦いに巻き込まれていく。
時は動乱の世、猫族の、人間たちの、それぞれの運命が今廻り始める―。

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